胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは?
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を傷つけ、潰瘍を形成する病気です。
主なリスク要因としては、ピロリ菌の感染、消炎鎮痛剤の副作用、過度のストレスなどが挙げられます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の
違いとは?症状をチェック!
胃潰瘍では食事中や食後に痛みが現れることが多く、十二指腸潰瘍では空腹時、特に朝方に痛むことが特徴です。
そのほかに胸やけ、胃もたれ、吐き気、嘔吐、食欲不振などを伴うこともありますが、全く症状が現れない場合もあります。
潰瘍が進行した場合、胃に穴が開いてしまったり、突然の出血のリスクも生じます。症状を放置せず、お早めにご相談ください。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因は、ピロリ菌感染です。ピロリ菌は胃の粘膜を傷つけ、それが潰瘍形成を引き起こします。
さらに、消炎鎮痛剤の使用や過度のストレスも発症リスクを高める要因となります。ストレスは胃酸の過剰分泌を促し、これが潰瘍を引き起こす原因になることがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の検査
血液検査
血液検査では、炎症の程度や貧血、消化管出血の有無を調べます。
胃バリウム検査
胃バリウム検査では、胃の形や大きさ、粘膜の異常などを確認します。
胃潰瘍などの病変がある場合、その部分の粘膜に凹凸が見られるなどの変化が現れます。
腹部超音波検査
腹部超音波検査は、体の負担が少なく、胃や十二指腸の粘膜の状態を観察することができます。
潰瘍がある場合は、その部分の粘膜が厚く見えたり、凹んで見えたりします。
CT検査
CT検査では、潰瘍ができている場合、その深さや状態を詳しく調べることができます。
上部消化管内視鏡検査
(胃カメラ)
胃カメラ検査では、食道から胃、十二指腸までを直接観察することができます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の炎症の状態、潰瘍の進行度などを観察する他に、潰瘍周辺の細胞を採集し病理検査でがん細胞が含まれないかなどを確認します。出血がある場合には、止血処置を行うこともあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療は、胃酸の分泌を抑える薬や粘膜を保護する薬を内服し、症状の改善を目指します。また、胃への刺激を避けるために禁煙、節酒、食生活の改善など生活習慣の見直しも重要です。出血や穿孔がある場合は内視鏡による治療や手術が必要なこともあります。
急性期
急性期には、症状が出ている状態です。
放置すると潰瘍が深くなり、治りにくくなるだけでなく、出血や穿孔のリスクも高まるため、安静を保ち、ストレスをできるだけ避けて過ごすことが大切です。規則正しい食事と内服治療を継続することで、多くの場合、2~3週間で症状は落ち着いてきます。
治癒期
治癒期に入ると、潰瘍は小さくなり、周囲の炎症も治まってくるため、症状は改善されます。
しかし、治癒している時期でも、ストレスや過食、飲酒などによって再発する可能性があります。再発を防ぐためには、医師の指示を守り、服薬を継続するとともに、食事に気を付けるなど、生活習慣の見直しが重要です。
瘢痕期(はんこんき)
瘢痕期になると、潰瘍があった部分は赤みを帯びた状態から白っぽい瘢痕に変わり、潰瘍が治癒したことが確認できます。
適切な治療を行えば、多くの場合、胃潰瘍は約2ヶ月、十二指腸潰瘍は約1ヶ月半で瘢痕期に移行します。しかし、潰瘍は再発しやすいため、繰り返すことで胃がんのリスクが高まることがあります。そのため、治療をしっかりと行い、定期的な検査を受けることが非常に重要です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍に
関するQ&A
胃潰瘍・十二指腸潰瘍になったら何日会社を休むべきですか?
仕事上のストレスが原因となっている場合や適度な安静が保てない場合は休職も視野に入れる必要があります。
また、症状が強い場合も、仕事に支障が出る可能性があるため、休職して治療に専念した方が良いでしょう。
症状が改善した時点で、職場や医師と相談の上、復職時期を決定します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍になったら入院が必要ですか?
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、多くの場合入院せず、通院ので治療することができます。
ただし、出血や穿孔を合併している場合、症状が強く食事が摂れない場合は、入院治療が必要となることがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は自然に治りますか?
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、適切に治療を行わないと、胃がんのリスクが高まる可能性があります。胃の痛みや不快感など症状が現れて不安な場合は、お早めに当院にご相談ください。
十二指腸潰瘍で空腹時に痛みが強くなるのはどうしてですか?
潰瘍による痛みは、胃酸が潰瘍に直接触れることで、その部分がけいれんし、痛みが発生すると考えられています。十二指腸潰瘍の場合、空腹時は胃酸が多く分泌されているため、痛みが強くなり、食事をとって胃酸が中和されると、痛みが和らぎます。